図書出版

花乱社

絵本『からすさんのお話』阿蘇丘光耶著

■有限会社みなさま発行
■本体1500円+税/A5判変型/16ぺージ/上製
■ISBN978-4-911429-02-0 C3793
■2024.12刊
■著者既刊=『バケツくんのお話』


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隠したものは
大切なものですか?

おなかがすいたからすさんは,毎日パトロール。
おいしい実を見つけると,いろんな形の雲の下に隠します。
すると,あれあれっ,雲も実も消えて……?

『バケツくんのお話』につづく、著者待望のみなさまブック第2弾。【英文付き】


本文より


 小学校から帰ると東畑,坂上の畑と,母の姿を捜し回った。
 それから母の働く背中を見ながら陽が落ちるまで,草をちぎったり石を集めてひとりで遊ぶ。
 1カ所から同じ芽がたくさん出ているのを見つけ母にたずねると,「それはカラスが後で食べようと思って隠した種だよ。カラスは空の雲を見て隠すんだと。利口そうでもバカだなぁ」と話してくれた。
 60年も前の話だ。
 自分は何を見て何を隠してきたのか,今頃このカラスが自分と重なる。
                                  (「著者のことば」より )


【著者紹介】阿蘇丘光耶 (あそおか・みや)

福岡市在住の絵本作家。著書『バケツくんのお話』(花乱社,2020年)